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ベニーニが好きになれない私

昨日、一日ずっと海遊館にいて、大阪ヨーロッパ映画祭で3本の映画を見たのですが、イタリアのベニーニの新作『人生は、奇跡の詩』は、彼の妻でもある主演女優のニコレッタ・ブラスキが来日と伝えられたので超満員(立ち見あり)でした。実際は本人の都合で来日はキャンセルされました。午前のオランダ映画『シモン』などは社会性のあるテーマで面白かったのに結構余裕があったのですが、やはり『ライフ・イズ・ビューティフル』でアメリカのアカデミー賞(主演男優賞)まで取ってしまうというメジャーな夫婦の知名度は凄いなと思いました。

実は私はイタリア好きには珍しくベニーニは好きではないのです。ウディ・アレンのイタリア版のような口数の多さ(内容は卑近な冗談ばかりで、そこはアレンと違いますが)にも閉口しますが、非常に大きな問題であるアウシュビッツ(『ライフ~』)やイラク(『人生は~』)を冗談まじりで軽々しく扱うところにどうしても好感が持てません。もちろん一種の寓話であることはわかっているのですが、エンターテイメントにしてはいけないテーマというものもあるような気がします。スタンダップの漫談でやるのとは違うと思うのです。

左派支持の文化人だということで彼を支持する日本人も多いと思いますが、私は、日本にアウシュビッツやイラクの悲劇の直接的な第一義の責任はないししても無関係だとは思えず、こういう扱いに興じることはできません。

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海遊館で初めてエディーを使ってみた

昨年と同様、大阪ヨーロッパ映画祭を見に、大阪港にある海遊館に行ってきました。前回は初めてだったので、大阪港のクルーズ(コロンブスのサンタ・マリア号を模した船。もちろん帆でなくエンジンで動く)にも乗ってみましたが、今回はその気もなく、こういう遊園地のようなところは、いったん入ると食べるか観るか遊ぶか買うかしかできなくなって身ぐるみ剥がれるような気がしたので、映画は先にローソンで前売りの3回券(3000円で3本見れる)を買い、食事は全日空でためたマイルを交換した電子マネー edy だけでとることにしてみました。

実は私は電子マネーを使うのは初めてです。その使い方も何週か前のテレビで見て初めて知った次第です。映画祭をやっている海遊館ホールと別棟のマーケットプレイスというレストラン・店舗モール内ではさすがに観光地なのでedyが相当使えます。しかし、やはり全部ではなく、使えるかどうかスパイのように少しカウンターを覗いたりもしたので不審者と思われたかもしれません。edy の読み取り機械や「edy使えます」の表示を探していたのですが、位置的にレジをねらっているおっさんに見えたかもしれません。

というのも、一件一件、edy が使えますか、と聞くのは100%日本人の私としては気が引けますし、edy が使えないから入らないというのも、本業の料理や接客に一生懸命な店にはかわいそうだと思うのです。

しかし、使える店にしても、店先に堂々とedy 使えますと掲げないのは、やはり現金のほうがありがたいのだろうなあ、と想像しています。電子マネー導入でより多くのお客を、という積極攻勢ではなくて、お客さんの支払い手段はいろいろ用意させて頂いています、という控えめな対応に思えます。

私にしても今あるedy を使い切ったら、たぶん次に所定量のマイルがたまるまで、電子マネーは使わないなあと思います。現金を電子マネーにしてまで使おうとはほとんど思わないのではないでしょうか。海遊館でもメインの海遊館そのものはedyが使えないようだったし。

中央の屋台のような店舗カウンター群はすぐ機械のありかが見えるので注文しやすいです。映画の合間にハーゲンダッツのソフトクリームも食べました。大阪に来て、こんな幸せな日はめったにない。

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食いしん坊の町?パルマ

チーズのパルミジャーナで知られるパルマは、食いしん坊というキャラがついているエミリア=ロマーニャ州でもとりわけそうだということになっています。食事の後にまた料理の話をするほどだという冗談も。粉飾決算で問題になったイタリアでは大きな乳業会社パルマラートもここが本拠で、地元のサッカーチームのオーナーでした。

ベルトルッチの『革命前夜』にこのパルマ・ネタが出てくるのですが、「戦争中もイギリスの靴が変え、イギリスびいきだった」というのはなんなのだろう。なにかイギリスとゆかりがあるのか。イタリアのブルジョワが案外イギリスびいきという感じは分かるが。

スタンダール『パルムの僧院』もここでしたね。

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「のだめ」と古賀政男は同郷

家に帰ってテレビをつけたら、NHKでは古賀メロディーの懐メロ特集。一生懸命聞きはしませんが、日本人のDNAに入った旋律、不快感はありません。「影を慕いて」などは美しい日本語ですし。その経歴の紹介で出身地は福岡県大川市と。これは話題のドラマ「のだめカンタービレ」の主人公「野田恵」と同じですね。どうでもいいことですけど。

表題で古賀政男先生と書かなかったこと、演歌ファンにお詫びします。しかし欧米では歴史的人物は呼び捨てなのです。マルクス、キリスト。敬意がないわけではないのです。地上の敬称などいらないのです。

古賀メロディーでも「柔」はぼくも好きです。外国に出て外人に負けそうになると頭の中で鳴らします。

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欧州評議会HP担当者にメールを送る

何日か前に書いたことですが、欧州評議会のHPを参考に1949年加盟のギリシャが11番目、トルコが13番目という記述が変だと思っていたら、明らかに後の日にちの1950年加盟のアイスランドが12番目との記述。単なる誤記なのか、あるいは調印と批准で違うのか、訳が分からないのでHP担当者にメールを送りました。

ユーゴスラヴィアは一度も加盟していないようです。天涯孤独の非同盟主義だったのか。

しかし、同日加盟のギリシャが11番目、トルコが12番目という記述になるのも変ですね。いったい何を基準に番号を振っているのだろう。わからん。ちゃんとした本ないかな。

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アリゾナ州知事はナポリターノ

アメリカの中間選挙が民主党優勢のまま幕を閉じようとしています。改めて候補者名を見渡すとやはり人種のるつぼ、いろいろな国からの移民の子孫たちらしく、いろんなオリジンの名前があります。

イタリア系がニューヨークなどで強いのは有名(ジュリアーノ前市長=共和党、クオモ元知事=民主党、今回クオモ元知事の息子が州司法長官に当選)ですが、結構今はいろいろなところにイタリア系っぽい名前が見えます。表題に掲げたナポリターノ(民主党)などはイタリアの現大統領と同じ名字です。ほかにメーン州知事のバルダッチ(民主党)、ロード・アイランド州知事のカルチエーリ(共和党)など。ただし、ここに書いたのはイタリア語読みで、アメリカで同じように読まれるかは分かりません。

それはそうと、シュワルツェネガー(オーストリア出身)カリフォルニア州知事(共和党)も当選しましたね。奥さんを介してケネディ家の系譜とつながるなど、彼の努力は認めるのだけれど。う~ん。(複雑な心境)

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煙草への規制について

アメリカの政治で欠かせないスピニング(情報操作)の手法を、タバコ業界のロビイストの視点から面白く描いた映画「サンキュー・スモーキング」を一昨日、梅田で見ました。そこのなかの台詞で秀逸だったのが、「映画に出てくる喫煙者は異常者かヨーロッパ人だ」という言葉。禁煙が行き過ぎたアメリカとそこまで行っていない(しかしEUも警告文などかなり強化していますが)ヨーロッパの温度差をよく表していました。

しかし、映画にもあった過去の文化作品に登場する喫煙シーンまでカットするのは、歴史学を囓ったものにはやはり抵抗があります。愚行を含めてありのままというのが歴史学ですし、やはり嗜好品というものはそれを囲んだ人々の文化としての時間があるわけで、大事にしてほしいです。

実はヨーロッパでも悲しい傾向はあり、数年前に作家カミュの若い頃の肖像が入った記念切手が出たのですが、タバコをくわえているリラックスした表情が問題になり、表情はそのままタバコだけ画像から外して修正後に発行されました。本来くわえているものがなくなった口が不自然で気持ち悪い出来になっています。非順応主義的な彼の個性も台無しです。

私は「嫌煙権」という言葉は嫌い(誰も「嫌う権利」などない)ですが、「避煙権」はあると思っている、どちらかといえばアンチ・スモーキング派ですが、人に迷惑がかからないなら、愛煙者にはストレス発散にぜひ吸ってほしいと思います。体質的にタバコを吸えない私も人を待ったりするような時間にタバコが吸えればいい時間つぶしになるのに、と愛煙家を羨ましく思うことがよくあります。タバコやライターを介して初めて言葉を交わすなどという出会いのシーンは地球上で何億回と行われてきたはずですし、経験上、愛煙家には尊敬できる、いい人が多いです。

喫煙にはマナーを。しかし、歴史と(喫煙という)文化には敬意を。

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トルコと欧州評議会(2日の記事の補足)

2日にここに書いた記事について補足です。

やはり、欧州評議会は戦後始めてトルコが入った最初の欧州機関(欧州統合そのものに関わりうる重要な機関という限定つきですが)と言いうると思われます。

NATOが欧州機関と言いうるかどうか多少議論があり得ますが、私や研究仲間はこの点に疑問を持っていません。NATOの基礎条約である北大西洋条約の調印は1949年4月4日ですが、トルコとギリシャの加盟は遅れて1952年2月18日です。(西ドイツは1954年10月23日)

一方、欧州評議会憲章は少し後の1949年4月28日、発効が同年8月3日、諮問議会の最初の会議が同年8月10日に始まっています。トルコの加盟はなんと、この前日の8月9日。面白いタイミングですねえ。13番目の加盟国と欧州評議会HPに書いてあるけど、同じ日のギリシャは11番目。調印が早いのかな?それと12番目が見つからない。ひょっとしてユーゴスラヴィア?(もう無いから)

トルコは3ヶ月遅れ(発効直後)の「ほぼ原加盟国」といっていいような位置ですね。改めて考えてみると原加盟国の英仏伊ベネルクス、デンマーク、スウェーデン、アイルランド、ノルウェーの10ヶ国というのも面白い組み合わせではあります。軍事問題を外したので最初から中立国が入っている。

本当に私はトルコについて無知なのです。人権問題でEUと揉めるとはいいながら、欧州人権条約を1954年5月18日に批准しているし、欧州人権裁判所に判事も出している。う~ん、これはどう考えればいいのだろう。

欧州評議会HP http://www.coe.int/

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マイブーム、欧州評議会

先週末に裏方を仕切った行事の余韻がまだ残っていて、仕事が終わってコインランドリー(大阪は長居しないだろうと洗濯機を買っていないのです)に行って、洗濯ものを放り込んだ後、ランドリーの椅子に座って欧州評議会(Council of Europe)に関する論文を読んでいました。しばらくこういう時間がとれなかったのですが、やはり研究者は常に読んでいないとボケますね。いろいろ発見したり、思い出したりでした。

研究仲間のUさんの論文でこの欧州評議会の重要性を教えられたけど、自分ではついに勉強しなかった。悪友T氏がこれを審議会と訳さず評議会と訳すのもようやく理解できた。

来週末はEU学会に行くのだけれど、その前に東大のDESKのトルコについてのセミナーでも聞こうかなどと考えていたら、創設期の欧州評議会の諮問議会でトルコの代表が話している記事にぶつかりました。え、ひょっとしてトルコが最初に入った欧州機関ってNATOじゃなくて欧州評議会?これはこの後、欧州評議会のサイトに行って確認しますが、基本的なことを全然押さえていなくて最近の不勉強はひどいな、と反省。おりしもローマ教皇がトルコ訪問に向かっています。

幾ら仕事のストレスがあっても酎ハイ片手に「のだめカンタービレ」なんか読んで発散しているようでは駄目だな。全巻読んでしまったけど。

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