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「大日本人」大人気(ネタばらさず)

話題の「大日本人」を日曜朝一で見てきました。私はプロフィールでも書いているように、吉本のコテコテギャグは好きではないのですが、「小日本人」の一人として「大日本人」松本人志をリスペクトしています。

大阪梅田近くのピカデリーで朝から行列でした。さすがに朝一でしたので見れましたが、15分前でもう前のほうの2列と後列が1個単位(カップル、家族連れの余り)でぽつぽつ残っている程度で、松竹系にしかかかっていないこともあり、お客が集中したようです。

場内で販売しているパンフにも映画を見る前には見ないように封がしてあり、あとでパンフを見たのですが、例えパンフを見ても中身の全貌は分からないように工夫してあります。

松本ファンとしてストーリーは明かしませんが、お金だけの価値は十分ある、不思議な作品です。ナンセンス、パロディ、ギャグなどいろいろな笑いの要素が入っているのですが、松本人志一流の微妙な間や言葉の使い方があふれていて、言い方は悪いのですが、海外輸出は難しい、きわめて「超日本人」的な内容です。この機微は、大味なアメリカ映画人はもちろん、言葉の多すぎるフランス映画人にも分からないでしょう。

ユニバーサルな笑いというのは、底の浅いものだと思います。個別の深みに入らないと観客の心の底には響かないし、それゆえに笑いは文化なわけですから、この映画が仮に海外でも受けなくても、作品として全然恥じる必要はないと思います。北野武監督にしてもビートたけしの笑いのエッセンスは使いつつも、それを前面に出した映画で評価されているわけではなく、それはどの国の笑いでも同じではないかと。

社会性を感じる部分もないわけではないのですが、社会に入って議論するのを恐れない爆笑問題の太田光と違って、松本人志の場合は、社会批評として語られることを避けて笑いの職人に徹しようとしているように見えます。社会との関係は当然ある、しかし笑いを一時も捨てないことが第一義という職人の美学です。その結果、かえって彼自身が表現者として戦っている表現の制限と世間の反応が、ヒーローとしての大日本人の戦いにかぶって見えます。

キャストは公開されている6人以外は秘密なので書きませんが、公式HPのストーリーの断片で存在が明かされている主人公の妻役の女優さん(名前は秘します)は、ミニシアター系の映画で前からファンだったのですが、適役だと思います。ちょっと気の強い女性(美人)を演じたら最高の人です。「名古屋で立ち寄る店」(HPで公開のストーリー断片より)のキャストも良かったです。

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