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サラザールの愛読書

 本を整理していたら、アコス&レンシュニック『現代史を支配する病人たち』(ちくま文庫)を久しぶりに見つける。ふと、ページをめくってサラザールとフランコの章を読んだら、ポルトガルの独裁者サラザールの愛読書はプラトンの『共和国』(邦訳では『国家』のタイトルで有名)であったと。聖書のように寝るとき読んだらしい。人嫌いのこの人は、自分の頭のなかに理想の国を作っていたのだろうか。
 もちろん、高校世界史レベルでもプラトンの理想が哲人王であって、民主政をいいものと思っていないことはよく知られているし、サラザールの独裁というのも、フランコのような軍人でもムッソリーニやヒトラーのような政治運動家でもない、僧職から転身した財政学者なのに他に有無を言わせず独特の影響力を持ったという、とても不思議なものであるのだけれども。
 しかし、古典とはこういう風に読めてしまうところもあるのが恐ろしくもあり、文学部出として古典の有り難みは十分知っているつもりだが、作家や哲学者はともかく、現代を扱っている政治学者や経済学者が古典をベタ褒めするのを見たりすると、どうも違和感を感じるのである。

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サイト名を変更します。

 心境の変化があり、サイト名を変更します。
 表題は私の郷里にかつて実在した商店で、私の母と祖母が経営していました。駅のキオスクを大きくしたような店で、バス・ターミナルと鉄道駅の間で、新聞・雑誌、たばこ、お菓子、飲料、牛乳、パンなどを売っていました。
 二人ともあちらに逝ってしまったので、名前だけでもヴァーチャルで残しておこうかと思ったものです。思想や情報の気軽なお店になればと。

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プローディ首相辞職について

しばらく、ブログどころではなかったのですが、これははずせません。
プローディ首相が信任投票に敗れました。もともと中道・左派のなかでも独自の行動をとりがちで、さらにもともとはベルルスコーニの第1次政権で労相を務めながら中道・左派に移ってきた政界の寝業師マステッラ法相の汚職疑惑もさることながら、左翼民主主義者とマーガレットによる民主党合同に反対したディーニ元首相の反発もあって、政権はいわば内側から崩壊したわけです。
プローディにとって悲劇的なことは、この信任否決が今回が初めてではないこと。1996年の総選挙で勝ったときはユーロ参加決定後の1998年に信任投票が再建共産党の離反で1票差で否決、今回も2006年の総選挙で勝利し、2年目に入る直前の現在、前の中道・右派政権の財政混乱を整理中に2008年で数票差で不信任。イタリア共和国史上で信任の否決はこの2回のみなのです。しかも、疑惑まみれのベルルスコーニに中道・左派が選挙で勝ったのも2回のみでどちらもプローディ。
明らかに責任はプローディでなく、レプブリカ紙の編集長マウロ氏が、今回の結果は、政治家プローディの死、中道・左派という政治文化そのものの死につながりかねないとしているのが、印象的です。

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