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サラザールの愛読書

 本を整理していたら、アコス&レンシュニック『現代史を支配する病人たち』(ちくま文庫)を久しぶりに見つける。ふと、ページをめくってサラザールとフランコの章を読んだら、ポルトガルの独裁者サラザールの愛読書はプラトンの『共和国』(邦訳では『国家』のタイトルで有名)であったと。聖書のように寝るとき読んだらしい。人嫌いのこの人は、自分の頭のなかに理想の国を作っていたのだろうか。
 もちろん、高校世界史レベルでもプラトンの理想が哲人王であって、民主政をいいものと思っていないことはよく知られているし、サラザールの独裁というのも、フランコのような軍人でもムッソリーニやヒトラーのような政治運動家でもない、僧職から転身した財政学者なのに他に有無を言わせず独特の影響力を持ったという、とても不思議なものであるのだけれども。
 しかし、古典とはこういう風に読めてしまうところもあるのが恐ろしくもあり、文学部出として古典の有り難みは十分知っているつもりだが、作家や哲学者はともかく、現代を扱っている政治学者や経済学者が古典をベタ褒めするのを見たりすると、どうも違和感を感じるのである。

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