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左右直接対決なき選挙戦

 自分の生活に大変化が起きたために、久しぶりに、投票が間近(13,14日)に迫ったイタリア総選挙の動向をチェックしています。
 しかし、どうも今回の選挙戦は前回と違い、まだ左右両雄の対決討論もなく、HP「やそだ総研」に何か書こうにも小ネタの類が多く、困っています。昨日発表されたある調査によれば、65%の人が左右両雄の直接対決を見たいと言っているのですが、まだ実現する感じはなく、展開は前々回の2001年の総選挙に似てきました。先に行われたスペインの総選挙では直接対決があっただけに、地球の裏側からの観察者にとっても残念な現状です。
 2001年(中道・右派勝利)の場合は、中道・左派がユーロ加入後の課題喪失感と連立内紛のせいで1年前から負けそうだといわれており、当時ローマ市長だったハンサムなルテッリをリーダーとしたものの、ベルルスコーニは直接対決を避け、両者はそれぞれ個別にRAIや民放のトークショーに出演し、インタビューを受けたり、市民との対話をするだけでした。これは、ベルルスコーニが自分よりハンサムなルテッリと直接対決を避けたとか、右派優勢のなかで失点を恐れたとか、いろいろ喧伝されました。
 2006年(中道・左派勝利)は、中道・左派のプローディは、出身地(おいしい食べ物が多いエミーリア=ロマーニャ州)とぽっちゃりした体型からつけられた愛称がモルタデッラ(脂身の多いハム)で、テレビ写りではベルルスコーニより有利とはいえない(筆者は落ち着いたいい顔だと思いますが)ということもあり、両者は2回の対決に臨んだわけですが、プローディは少なくとも1回目の討論ではベルルスコーニに勝っていて、1996年に行われた直接対決と同様、なかなか「教授」の底力が現れていたのでした。
 今回の中道・左派の代表ヴェルトゥローニ(民主党書記長)は、プローディよりもインテリ(映画評論家でもある)くさく、ある風刺漫画家には青虫に描かれ、ハンサムかどうかは微妙(決して不細工ではないが)なのですが、言葉はプローディよりも勢いがありますし、世論調査では中道・右派がやや有利ですので、ベルルスコーニ側にはあえて危険を冒す理由はないかもしれません。
 それにしても1994年から右派のリーダーはずっとベルルスコーニで、4回の総選挙で2勝2敗ながら、この間の3回の欧州議会選挙(いまや事実上の中間選挙に近い)で優勢勝ちしたのを含めて、基本的にプローディ以外の中道・左派には誰にも負けていない強さには、好き嫌いは別にして、そのイメージ操作の巧みさに驚かざるを得ません。
 最後の最後のどん詰まりでテレビ討論に応じて、売れそうな公約で言い逃げを図るかも?今のところ、なさそうですが。

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