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ついに出た「イタリア史」

 広告を見て、いつ店頭に並ぶかと待ち構えていた、山川の世界各国史15「イタリア史」をついにゲット。今日も三省堂では並んでなく、すずらん通りを歩いて、ひょっとしてと入った東京堂書店で購入。イタリア史はスペイン史と異なり、長らく通史が更新されていなかった。特に山川の世界各国史の場合、本来イタリアにとどまらないローマ史をまるごとイタリアの巻に入れ込んでいるために、更新は難しかったようで、実に32年ぶりの更新である。

 不幸なことに、イタリア史は、現在のイタリアを形作る近現代よりも古代ローマとルネサンスという観光の中心に一般の関心が向きがちなのだが、この本では古代から近世までは他の著者に委ね、スペイン支配期以後現在までを北原氏が一貫して書いている。

 近世の部分もイタリア史の本来の構成であるイタリア諸国家(「古い=統一前の=諸国家」antichi stati、ヴェネツィアなど、都市国家というより領域国家)の歴史から統一へという流れになっている。その意味では本来のイタリア史に日本語のイタリア史が少し近づいた。イタリアの大学では、この統一前諸国家史が一個の科目としてあり、統一以後の基本的に現在につながる歴史と並び立っているのである。

 もう一つ、小さな点でうれしいことは、地名表記。ミラノでなく、ミラーノ、トリノでなく、トリーノになっている。私は学部生時代から、指導教官に指摘されてこう書き始めていたのだが、日本の慣用に反し、やや気取っていると思われることもあった。実際、アクセントは難しく、ジェーノヴァ、ヴェネーツィアのほうはこう書くと間延びする感もあるが、これはこうせずにジェノヴァ、ヴェネツィアとしているのも同感できる。それに反し、イタリア語をまがりなりにも解する人間にはアクセントなしのミラノ、トリノは絶対に気持ち悪い。こういう基本書でしっかり指針を示して頂いたのは、何ともありがたい。

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