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カモッラ、ゴモッラ

 ローマ滞在中に、話題の映画『ゴモッラ』を見た。ナポリのやくざはマフィアでなく、カモッラというわけですが、この内情をロベルト・サヴィアーノという青年がナポリの社会事情と合わせて告発した本の題名が『ゴモッラ』。その映画版です。エウルの国立文書館に行った以来、久しぶりに城壁の外の町の映画館まで見に行きました。

 聖書に出てくるゴモラ(イタリア語でゴモッラ)という背徳の街にかけてあるわけですが、この本がベストセラーになり、各国語に訳されていて、今や狙われて生命の危険もある彼を守れと知識人たちが署名活動したり、連帯感を示すために本の朗読会をしたりと話題の人になっていました。連日新聞に登場しただけでなく、CNNヨーロッパも彼にインタビューしていました。

 映画は、まるでドキュメンタリーかと思うくらい、ナポリの貧しい界隈から、武器の横流しや、中国人が中国人を酷使する闇工場、そしてあまりにも簡単に人の命が奪われる光景など、これでもかと乱反射のように複数のストーリーが迫ってきました。

 日本語訳が出るかわかりませんが、これだけ話題になれば、本も映画も日本にくるのじゃないかな、それだけの重みはあります。本も買ってきましたが、冒頭からナポリの港での違法な物資の流れをナポリの風景と世界的な闇物流の流れの相関で描いた、なかなか見事な叙述です。

Gomorra

 でも、続きを読むのは、少し後かな。帰国すると仕事の山が。

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本当に好きな本

 本当に好きな本は、一応学者にはあるまじきことかもしれないが、研究には役立たないが、人生におもしろみを与えてくれる本。今回の旅行では、時間もお金もカツカツで研究書は後で予算で買うことにしたが、この種のものを2,3買わずにはいられなかった。

 まずは、この本『ミロード:イタリアのアングロ(英国)マニアの冒険』。これは、表紙に書いてある惹句で即買い。戦後初の駐英イタリア大使ニコロ・カランディーニはたいそうな英国マニアで、そのイタリア人らしからぬ気品ある物腰に、イタリア外務省内でも「ロード・カランディーニ」とからかわれていたらしい。実際、戦後初期のイタリア外交における重要人物の一人です。

Anglomania

 以前、ベルトルッチの映画『革命前夜』でパルマには戦中でもイギリスびいきが多く、ファッションなどもそうだったというようなことが話されているのを見て気になっていたのですが、イタリア人でも英国調の好きな、絶対そういう流れがどこかにあるはずだ、と思っていたら、この本に遭遇した次第。まだ読んでないけど、絶対におもしろい、はず。

 この出版社「ネーリ・ポッツァ」はなかなか面白い本を出していて、名著『東部アフリカにおけるイタリア人』全4巻を書いた名ジャーナリスト、アンジェロ・デル=ボカが50人の証言を集めた『わたしたちのアフリカ』もここから出ている。要注目。

 

 

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7年ぶり、国立ローマ中央図書館

 一昨日まで、ローマに5泊。学会報告の資料に自信がなくて、ローマの国立中央図書館に通った。とてもきれいになって利用しやすくなっていてびっくり。カードの取得も英語のフォームもできていたし、検索から読みたい図書を読みたい分野別図書室の机をキープしたうえで届く時間も表示されるのまで、すべてPC上でオーケー。他の国では当たり前でも、イタリアでこんなにスムーズになったとは快挙。

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すでに外資に食われていた丸の内

 木曜日、急ぎの郵便があって東京中央局へ。すぐ東京中央へというのは、わたしのような田舎出身の人間の発想である。実際は大きな集配局からさらにまとめられて発送するので、集配局なら他でもよいのだが、自分の住む区の交通網の問題で、バスを乗り継いで区内の集配局に行くより、地下鉄に乗れば東京中央のほうが早く着く。
 ところが、どうも改装中で、付近の幾つかのビルに分散して営業していた。そこで、久しぶりに丸の内界隈を歩いてびっくり。皇居の真ん前にスタンダードチャータード銀行、近くにPCAアセット、金持ちしか相手にしない外国金融機関がずらりと並んでいる。さらに自動ドアの後ろに男の職員が立って出入りをチェックしている。付近にはティファニーとか、ここはニューヨークかと思うような、いかにもアメリカ・ビジネスマン好みのブティック、レストランが。平日の、雨の夕方、人通りも少なく、余計にシュールに見えた。
 なんだ、もう外資に食われているじゃないか、この国のど真ん中(歴史的中心)が。金融危機で今度はアメリカの国債をわれわれの税金で買わされるのかな。

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