« フィジーの軍事政権 | トップページ | 民主党に捧げる歌:I am DP!(YMCAの節で) »

100歳のノーベル賞受賞者の本の邦訳

 今朝の朝日の書評面によると、このブログでも先日紹介したリータ・レーヴィ=モンタルチーニ女史(生理学者、ノーベル医学生理学賞受賞、イタリア共和国終身上院議員)の本の邦訳が春に出ていたようだ。
 題名も『老後も進化する脳』(朝日新聞出版)。これほど著者と題名がぴったりの本もちょっとない。イタリア語の人名表記がとても正確だなあと思っていたら、イニャツィオ・シローネ『葡萄酒とパン』やフランカ・マニャー二『亡命家族の肖像』などの邦訳をされた齋藤ゆかり氏の訳だった。どれも貴重なお仕事で、現代イタリア理解には欠かせないものだ。ここに挙げたすべての本の著者に共通するもの、それはファシズムからの受難とそれに耐えたレジスタンス。それも華々しい武勲というよりは、知的で地道なレジスタンスだ。
 レーヴィ=モンタルチーニ女史は、もちろんレジスタンスの闘士ではない。しかし人種法制定後の亡命先のベルギーから帰国後、米兵やレジスタンス側の医療にも関わっているし、戦後アメリカで研究成果を上げたことも、物理学のフェルミらと並んでイタリア科学者の名声を高めた戦後の共和国への大貢献である。
 NHKが小田実氏の活動を描いたドキュメンタリーでも、齋藤さんの名前が小田氏本人の会話に出ていた。今回の訳書も3月刊行ということは、ちょうど著者が4月に100歳を迎えた直前に間に合ったわけで、出版時期も最高である。

|

« フィジーの軍事政権 | トップページ | 民主党に捧げる歌:I am DP!(YMCAの節で) »