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フィジーの軍事政権

 フィジーを島サミットに招待しないとの記事を読んで、またしても自分の無知からウェブ上の基礎情報を読むが、どうもはっきりと分からない。多数派のフィジー系のほかに相当数のインド系がいて、歴史上何回もクーデタがあったらしく、近年のそれは初のインド系首相誕生とそれへの反発、さらにクーデタとその後処理の失敗などなど、落ち着かず、軍事政権を違法とした裁判所に対し、憲法を停止するという暴挙に出ていることからも、途上国でも民主化の進んだ近年のなかで稀な例であることは間違いない。
 普通、観光地のイメージが強いので、経済も駄目になっているかというと、軍事政権でも人々の生活には大きな変化がないとの記事もある。これもまた不思議で、その辺の感覚もよく分からない。日本人で強盗にあう被害も増加していると渡航情報にあるから、あまり進んでいくところではないようだ。トンガやソロモンでも暴動が起こっているし、太平洋の穏やかな南洋の島というイメージは完全に違っている模様。院生時代に読んだ本には、フィジーは周囲の島国よりは大きく、地域内で覇権をとろうとしているというミクロな動きの分析があって、こんなミクロの世界にも「国際関係」ってあるんだと関心した記憶がある。
 ただ、インド系は明らかにイギリスの植民地時代に連れてこられたもので、イギリスの負の遺産もあることは間違いない。尊敬する学界の友人たちを馬鹿にするつもりはまったくないのだけど、どうも日本語にはイギリスの外交や植民地政策に対して批判的な文献が少ない気がしてならない。難点があっても、「苦闘」と描かれてしまうような。
 例えば、ギリシャの内戦にも、中東の混乱にも、各地の植民地の独立後の内戦にも、イギリスに少なくとも部分的に責任のあることは多い。バランスをとるためには、思い切って「イギリス植民地政策の負の遺産大全」とか、「大英帝国の大失敗」とか、「ジェントルマンのジャントルならざる統治」とか、そういう本が出ませんかね?

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