« ラッド豪首相に注目 | トップページ | 「一票の不平等」を指摘する意見広告 »

C.S.A.(偽ドキュメンタリー)

 東京メトロポリタンテレビの番組「松嶋×町山・未公開映画を観るTV」でアメリカの偽ドキュメンタリー「C.S.A.」を流していた。これは題名の通り、南北戦争で実際の歴史とは逆に南部のConfederate States of America(アメリカ連合国)が勝利した後の歴史をまるでドキュメンタリーのように創作した映画である。これがアメリカ人のスタッフによる痛烈な自己批判になっている。司会の町山智浩氏はこれをフェイク(偽)・ドキュメンタリーと呼んでいたが、ネット情報によるとモッキュメンタリー(mockumentary、風刺ドキュメンタリー)という言葉もあるようだ。本当の資料映像のように「史実」は白黒映像、「歴史家」や「ジャーナリスト」はカラーで証言するという手の凝りようで、「敗れた北部」への郷愁から作られた(偽)映画『北風とともに去りぬ』まで「引用」される。
 奴隷制の論理を貫徹したまま、キューバから中南米に軍事侵攻したCSAは、奴隷制を知らないメキシコで奴隷制を施行できない困難にぶつかる。そこで取られたのが隔離政策(アパルトヘイト)。農場で働くメキシコ人とお屋敷で過ごすアメリカ人が接触しない仕組みを作り出すのだった。今回放送されなかった後半ではナチスと手を組み有色人種絶滅を目指し、日本に先制攻撃するらしい。
 司会の町山氏が話しておられたが、実際に南部で黒人への公民権が遅れた歴史への反省も込められているようだ。ただまじめに反省する言葉よりもブラックな笑いのほうが強いし、痛烈だ。戦前を間違った形で讃美する人に向けて、日本でも偽ドキュメンタリーを作ってみてはどうだろう。

|

« ラッド豪首相に注目 | トップページ | 「一票の不平等」を指摘する意見広告 »