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「タモリ俱楽部」が切手をテーマに

 昨夜の「タモリ倶楽部」は切手をテーマにしていた。その面白半分のテーマのこだわり方で実は教育テレビと紙一重の世界にまで行く(古地図を見ながら東京散歩など)雑学マニアにはたまらない番組だが、専門家がベースをちゃんと教えてくれる。
 われわれ郵趣家(一般でいう「切手収集家」のこと、英語でフィラテリストともいう、業界用語)の聖地、切手の博物館(目白駅近く)で鑑定士が「銘版」「カラーマーク」「定常変種」や消印、目打ちなどの郵趣の知識をレクチャーし、どうして郵趣家が記念切手よりも通常切手を集めるか説明していた。銘版が「大蔵省印刷局」から「財務省印刷局」、さらに「国立印刷局」に変わったのは、過去十数年の行政改革の歩みを反映していて面白い。
 そうなのだ。高いレベルの郵趣家は通常切手の複雑な使用例を集めて、場合によっては植民地統治や戦争といった歴史事象までを語るコレクションを作るのである。帝国主義時代、植民地建設の基礎は郵便と鉄道である。こういう場合、まず本国の切手を持ち込み加刷して使用し、やがてその場所専用の切手が出たりする。経由地も複雑で消印もバラエティに富む。戦地の郵便はまた特殊な形をとりやすい。支配が終了したり、占領国が代われば過渡期にはいろいろ変わった通信が起きる。世界の郵趣家が集めるのは、こうした複雑な使用例(使用済み封筒)なのである。
 だから歴史の知識は必須で、ヨーロッパでは教養ある紳士の趣味である。かつての日本での記念切手の「月に雁」などはまったく表面的なブームでしかなかったのだ。
 もっとも、私自身は貧乏収集家で記念切手しか集めない。私の老後の夢は、集めたヨーロッパ諸国の人物・歴史題材の切手でヨーロッパの人名辞典を作ることである。

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