« 吉田茂の駐伊大使時代 | トップページ | 画廊「七本杉」続報 »

『地方選のかたち』再読

 実家に帰ると、昔読んだり買ったりした本で、自分の研究には使わないが講義の参考になったり、学生の卒論研究に参考になったりする本を持ち帰ってくる。
 今回持ち帰ったのは、北日本新聞社会部『ドキュメント 地方選のかたち』(北日本新聞社、1999)。超保守・自民党王国の富山県の地方選挙を地元新聞社が追ったルポ。もう10年前の本だが、市町村合併が進む前の地方選挙の問題点が様々に指摘されている。市町村以下の町内会レベルの地区推薦で当選が決まる「超・小選挙区」の市町村議選、市レベルでも起こった無投票全員当選(地方議員の妙味がなくなり定数割れをギリギリ防いだ)など当時の状況が思い出される。
 この本が出たとき、富山県には9市18町8村あった。もともと大きい県ではない。それが今や10市4町1村になった。県庁所在地の富山市の領域は長野・岐阜県境の山間部にまで及ぶ。10年前になり手の不足していた町村議の問題はなくなった。定数減により町内会ベルの人選はもう行えない。役所とのなれ合いも以前のようには易しくないだろう。
 しかし、これは改善だろうか?人々から政治はさらに遠くなり、行政により機械的に処理されることになっただけではないだろうか。
 逆に人口数十万の東京の区はどうなっているのか。細かい専門分野ではないとはいえ、地方自治について語る場合も、もうちょっと現場の雰囲気をつかまないといけない。初めて区議会を傍聴に行くことも考えないといけない。

|

« 吉田茂の駐伊大使時代 | トップページ | 画廊「七本杉」続報 »