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政治学研究者と日常生活

 裏玄関(法学部以外)から時事論文などを書きながら政治学というところに入ってきたので、未だに自分は無免許運転の感じがしている。とりわけ理論面で新しいアイディアが何一つ提供できていないのと、もう一つは実践面で何もしていないからだ。
 駒場にヴェネツィア市長で左派の哲学者のカッチャーリが講演に来たとき、「実践なしに政治を語ることは、セックスしないで愛を語るに等しい」と言っていた。後半はともかく、前半は分からないでもない。
 一つだけやりたいことはある。毎日歩いている歩道の再編・改良だ。私がこれまで住んだ足立区、江戸川区(都内でもっとも家賃が安いので)の人がようやくすれ違えるくらいの細い歩道でも樹木が歩道の半分くらいまで植えてあって、これは何か行政の惰性で植えられているなと思っている。環境を錦の御旗に狭い歩道にまでやたら樹木を植えて、公園などの本当の緑の開発をサボり、電動車椅子での移動も想定していないのではないか、樹木業者との利権構造もあるのではないか、などといろいろ疑ってみるものの、研究者として何か書くには都市計画や法規だって調べないと、まともな意見表明にはならない。結局、自分の専門ではない、時間がないという理由で何もしていない。
 この問題ではないが、都市計画にも福祉の視点がないといけないと、広井良典氏が新著『コミュニティを問い直す:つながり・都市・日本社会の未来』(ちくま新書)で越境的に書かれている。Hiroi2前著「持続可能な福祉社会:「もうひとつの日本」の構想」(ちくま新書)でも言及されていた問題をさらに敷衍して語られているようだ。新入生にはやや難しいだろうが、来年の新入生ゼミのテキストに決定!

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