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吉田茂の駐伊大使時代

 前項のように、まったく遅ればせで麻生和子『父 吉田茂』(光文社知恵の森文庫)を入手する。
 郷里の町の中心街に近い我が家も、ドーナツ化現象でスーパーも電気店も自動車でないと行けない不便な土地になってしまったので、幹線道路沿いのまともな書店に行くのに30分近く歩いた。昔は中心街から馬鹿にして富山弁で「ざいご」(ド田舎)扱いしていたところが今は幹線道路に面した大型店のショッピングの中心になっているのが何とも口惜しい。
 吉田茂はムッソリーニを嫌い、駐イタリア大使時代は積極的に遊んだようだ。家族を連れてイタリア各地を自動車で回ったが、週末の私的な旅行のガソリン代をちゃんと公用と区別するように言い、秘書官にかえって面倒くさい思いをさせていたらしい。ローマの社交界のほうが開放的でロンドンよりもとけ込みやすかったと麻生和子さんが書いている。ただ吉田家が現地の人と深くつきあって心を通わせたのはやはりロンドンのほうらしい。このほか、ローマの聖心学院の使用語はフランス語だったなど、改めてなるほどと思うディテールがあって、面白く読めた。この麻生和子さんの子である麻生首相はヴァティカンを訪問した初のカトリックの日本首相なのである。
 

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