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「一票の不平等」を指摘する意見広告

 政権交代に目がいってしまって忘れていた「一票の価値」の不平等。今回の選挙でもこれは是正されていない。これを思い出させてくれたのは、今朝の日経に(他紙にも?)掲載された「一人一票実現国民会議」の意見広告。
 高知3区(衆議院)や鳥取県(参議院)の1票に対し、人口比で都市部は衆議院で0.5〜0.6票にしか相当せず、参議院では0.2票になることもあるという。この意見広告の優れている点は問題点を指摘するだけでなく、こうした「一票の価値」の違いを是認した最高裁判決を取り上げ、直前に迫った国民審査でそれを容認した判事に×をつけようと具体的な行動を促していることにある。
 もう一つ優れた点は、弁護士等が参加して、こうした意見で具体的な判事の名前を挙げることは国民の知る権利に属し法律違反でないと理論武装している点だが、さらにこの広告は現在各家庭に送付されている国民審査公報では分かりにくい論点を一点突破で明らかにしてくれている。
 公報には「一人一票実現国民会議」が問題とする最高裁判決も実は各判事の関わった事例として掲載されている。しかし、その記述はこうなのだ。「平成一七年九月に施行された衆議院議員選挙における小選挙区選挙の区割り及び選挙運動に関する公職選挙法の規定は憲法一四条の規定に違反するとはいえない(多数意見)。」
 これで「一票の格差」を是認していると分かるだろうか?むしろ、他の記述、メイプルソープの写真集で性器が写っているのは「風俗を害する」とはいえないと判決した事例などを読んで、最高裁も結構芸術を分かっているじゃん、と納得していたかもしれない。この意見広告も自分たちはアンチ最高裁でなく、最高裁が正しい判決ができるように応援しているのだとしている。
 裁判官名のリストを切り取って投票所に持って行けるようにしてあるだけでなく、自分の選挙区の一票の価値もホームページで分かるようにしてある。ちなみに私のいる東京16区は衆議院選挙が0.48票、参議院選挙は0.23票である。
 忘れかけていたことにタイムリーに気づかせてくれる優れた意見広告の見本だ。発起人には、大宅映子、櫻井よしこ、屋山太郎の各氏といった著名な評論家、ジャーナリスト、川本裕子、戸松秀典の各氏ら研究者、元連合会長の鷲尾悦也氏、そして現在「反・新自由主義」陣営から目の敵にされている奥谷禮子、宮内義彦の両氏のような財界人も名を連ねている。どういう立場であれ、少なくともこの意見は傾聴せざるを得まい。長島一茂氏や美術家の村上隆氏も入っているのも面白い。

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