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『青山栄次郎伝』の写真

「パン・ヨーロッパ」構想で知られるヨーロッパ統合運動の先駆者の一人、オーストリア貴族のリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギ伯爵の母が日本人の青山光子であることはよく知られている。
Kalergi

 林信吾氏の新著『青山栄次郎伝 EUの基礎を築いた男』は、クーデンホーフ=カレルギ伯のミドルネームの一つに日本名の「栄次郎」が入っていることから決めた表題だろうが、これほど現実から遠い表題はない。帯の惹句にある「鳩山由紀夫に『友愛』を伝えた男」という、おそらくは著者というより出版社側の販売戦略によって、かなりの無理が生じていると思う。この問題点については、すでに児玉昌己教授(久留米大学法学部)がブログで指摘している。
 実際には、クーデンホーフ=カレルギ伯が「友愛」を伝えたのは、鳩山一郎(首相、自民党初代総裁)であり、現首相は祖父からその理念を受け継いだのである。この点については、林氏も参照している、戸澤英典氏(東北大学法学研究科)によるクーデンホーフ=カレルギ研究のホームページ「RCK通信」の記事が参考になる。
 内容については、別の機会に検討したいが、私個人にとってうれしいこともある。それは、この本の中身の扉、グラビア、および帯と3回も用いられている写真は、鳩山一郎の妻(現首相の祖母)鳩山薫女史(共立女子学園第7代学園長でもある)とクーデンホーフ=カレルギが共立女子大学前で撮影したものであることである。現在、共立でEUを教える私が学外で話すときに小ネタとして使える材料を提供してくれた。この点だけは、まず著者に感謝しておきたい。
Coudenhove

 ところで、児玉先生(メイン)と私(サブ)が、NHK文化センター青山教室でEUの歴史に関する連続講義をします。「初心者のための西洋史入門 2つの大戦からEUへ」という科目です。児玉先生により初回は終了しましたが、まだ5回あり、うち3回(第3回から第5回)を私が担当します。途中からでも、申し込めます。以上、CMでした。

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