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アジェンダよりマニフェストのほうが適切

 みんなの党が選挙公約を「アジェンダ」と呼んでいる。しかし、これはやはり、「マニフェスト」のほうが正しい表現だろう。おそらく、「マニフェスト」が民主党のせいで新鮮な語感がなくなったことから、具体的な行動計画を表す「アジェンダ」を用いて、より責任を持って実現するという語感を込めたいのだろうが、これはいささか誤解に基づく使用である。なぜなら、現在のみんなの党のポジションを考えれば、みんなの党の「アジェンダ」(=マニフェスト?)が新政権の「アジェンダ」(政策日程)とならないことはほぼ確実だからだ。「アジェンダ」は、それを果たし得る人が使う言葉だろう。第三者がそう呼ぶならまだしも、現在のみんなの党が自ら使うのは、むしろ滑稽な感じすらする。
 選挙公約にこの語を使っていけないということはない。例えば先のアメリカ大統領選挙で敗れた、McCain-Palin Agendaという表現を見ても違和感は感じない。それは、オバマでなければマケインというくらいには、実現性は相当ある有力候補だったからだ。
 みんなの党は今回、躍進するだろうが、今のところ、民主党との連立は考えていない以上、政権には入らない、ないし、入れない可能性が大である。政権につく前の小党がひたすら国民に「呼びかけ」る表現としては、やはり「マニフェスト」のほうが謙虚で正確な表現だ。選挙に入れば、政権与党も一政党、だから与党も「マニフェスト」と書く。みんなの党に「アジェンダ」などと言われると、もう与党気分なのか、と思ってしまう。
 イギリスの保守党は、今回の総選挙で自党のマニフェストを新政権への招待(invitation)と書いていた。そのことも影響してるのだろうか。

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