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鳩山首相、講演でクーデンホーフ=カレルギに言及

 私は最近、ツイッターにはまっている。政治家やジャーナリストが多数参入し、政治学を講じる者として仕事上も無視できないものになってしまった。もちろん、使い方をよく分かっていない人や下手な人もいるし、著名人だから必ず面白いということでもなく、逆に著名人でなくても、フランスやイタリアの大学で教えたり、学んだりしている人のツイートは、メディアでは分からない現地の肌感覚が伝わってきて面白い。
 ジャーナリストのなかでも特に使い方がうまく、ライブな感じでつぶやいてくれる人が『週刊朝日』など多数のメディアに登場するジャーナリスト、上杉隆氏で、岡田外務大臣の会見場から、外交文書問題に関する問答の勘どころをライブで伝えているのを、私もリアルタイムで追った。会見を中継するニコニコ動画が見られるPCが手元にないときなど、携帯で見るツイッターが頼りになる。
 昨日の上杉氏のつぶやきは、東京工業大学(菅新首相の母校)での鳩山首相の講演会場からだった。それを見て、鳩山首相が祖父でやはり首相だった一郎氏にならって、友愛精神のヒントとなったヨーロッパ統合運動家でオーストリア人貴族のリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギに言及していることを知った。しかも、産経の詳報を見る限り、講演のシメの部分でかなり長く言及したようである。
 大学でEUの歴史などを習うチャンスがある人は聞く名前である。1920年代に早くも、著書『パン・オイローパ(ヨーロッパ)』とそれにちなんだパン・ヨーロッパ運動を起こし、欧州統合運動を率いた人物。ただし、彼を現在のEUに直結するようにとらえるのは無理があり、フランスのブリアンやジャン・モネと同等に評価していいかどうかは疑問である。ただ、早い時期に具体的な運動を在野で始めたということから先駆者としては当然評価されていい。日本では、母親が青山光子という日本人女性であったために、やや過大評価されている気味がある。
 鳩山首相の祖父、鳩山一郎氏は占領軍による公職追放で要職につけなかった不遇の時期に、クーデンホーフ・カレルギの著作の一つを翻訳している。その後、公職追放が解けて政界復帰、自民党初代総裁、首相となるわけだが、この過程でクーデンホーフ・カレルギの影響もあって創始されたのが、「友愛」運動である。
 こうした日本との関係については、クーデンホーフ=カレルギを研究している戸澤英典氏の「RCK通信」がネット上の日本語情報では最も信頼できるものだ。
 あるジャーナリストによる『青山栄次郎伝』という最近出た評伝が、とりわけ、その題名や惹句にいささか問題があることは、ここで前に記したので、もう書かない。

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