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遅ればせのベルギー入門

 ブリュッセルには、20年前に一度来ているのだが、ほとんど何も覚えていない。グラン・プラス周辺しか見ていなかったようだ。今回は、ベルギー史を一から勉強しなおそうと思った。
 ホテルはグラン・プラスの裏、ギャルリー・サンチュベールのすぐ横にある。ここから、中央駅方向にコングレ宮とアルバート1世王立図書館の間を抜けて王立美術館に。実は、私はマグリットの大ファンなのだが、王立美術館の離れのようなマグリット美術館はちょうど改装中でマグリットは見られず、そこで行われている「ドラクロワからカンディンスキーまで:ヨーロッパのオリエンタリズム」という企画展を見る。
 西洋は東洋に(東洋は西洋に)暴力やエロスなど自分の社会で建前上は御法度になっているものを思い切り描いていたのかもしれない。スルタンのハーレムや中東での戦ものが多いのはそういうことなのではないかとずっと思ってきた。
 常設展示では、やはりルーベンスが圧倒的な存在で、他はそのおまけに見える。もう一つの目玉、ブリューゲル父子が素晴らしいのは言うまでもないが、ヨルダーンスの宗教画は今回見て意外に気に入った。小企画のベルギー人の未来派画家の展示は色が鮮やかでよし。冬期で観客は混雑するほど多くなく、よく見ることができた。十分な展示があるが、ルーブルほど大きくないのも、ちょうどいい感じ。
 ここから最高裁判所方向に歩くと、その前のプラール広場に無名戦士の墓があって写真を撮る。ここからルイーズ広場に出ると、ショッピングの一大中心ギャルリー・ルイーズとギャルリー・ド・ラ・トワゾン・ドール。フードコートが発達していて食事の出費を抑えられる。レバノン風オムレツというのを食べる。ギャルリーのなかにあるFNAC(小さい)のなかで、ベルギー政治史、ベルギー知識人史などの本を買う。
 次に王宮の横になるベルヴュ博物館でベルギー史の勉強。国王の治世ごとに区切った簡単な展示だが、フランス革命の影響や政治風刺漫画、参政権運動や社会主義運動の基礎知識が得られた。すぐ前のパレ・デ・ボザールは特に予定もなく企画展のクラナッハ展を見たが、これが想像以上によかった。デューラーやイタリアとの影響などとの比較を意識している。
 夕方からギャルリー・サンチュベールのなかにある映画館で、ルーマニア映画の「クリスマス後の、火曜日」を見る。妻子ある中年男が若い女性歯科医の愛人と離れられず離婚を決意する瞬間にクリスマスが訪れ、娘や実家の両親の手前、クリスマス後に離婚手続きを始めることにして、夫婦はちょっとの間、両親としての役割を演じ続けるという、劇的なことは何も起きない映画だが、感情の微妙な動きを追うヨーロッパらしい(フランスっぽい?)映画。
 ベルギー入門と言いながら、今日は完全にお上りさんコース。明日は、ややシリアスな自分の研究上の関心からシャルルロワに行くつもり。

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