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オーステンデまでデルボーを見に行く

 ベルギーは本当にブリュッセル起点でほとんどが日帰りで見られる街ばかりだが、さすがに今回は行くのに多少時間がかかった。9日(土曜日)お昼前に慌ててオーステンデに出かけたのは、その翌々日の11日からデルボー美術館が冬期の閉館期間に入るとネットで読んだからであった。
 オーステンデに来るのは初めてではない。21年前の1990年の冬、1ヶ月かけてヨーロッパ10ヶ国を回ったときにオランダのロッテルダムからフェリーでイギリスに渡り、同じ航路だと面白くないので大陸への帰りは別のフェリーでオーステンデに渡ったのだ。ただ、そのときは港からすぐの駅で電車に乗り、ブリュッセルに向かったので、冬の日の曇った天気しか覚えていない。

Oostende

 デルボー美術館はオーステンデの郊外にあり、海岸を走るトラムに乗りかえる。ここまで来ると、すべての表記がオランダ語でフランス語は並記されていない。やむなく英語で切符を買う。幸い、オランダ語だけだがトラムの路線図があって、細かい駅の並びが分かったので、やや安心して乗る。

Nord

 ジント・イデルスバルトという停留所までは十数ヶ所の停留所があり、これは地元民の足なのだが、海岸リゾート地らしく、カジノが停留所前に幾つかある。また、この季節なのにホテルやレストランに結構人がいて、海岸を散歩している人もいる。途中、日本でいうベッドタウンでもあるのか、大きな集合住宅が幾つもあった。オーステンデを出てからはしばらく、冬の厳しい北海の寂しい海に旅情をかき立てられる。
 ジント・イデルスバルトの停留所にも、降りてすぐの場所にはデルボー美術館に案内する看板などはついていない。少し先に行くと、ここには漁業博物館などもあるらしく、そこへの方向だけを示す看板があり、向かいの普通の商店街の角地にデルボー美術館への矢印があった。その方向に数分歩くと、また右方向に矢印。今度は商店街から離れ、庭の広い家が間をおいて並ぶ、寂しい通りをまた数分歩く。そして今度は左に少し折れたところにようやく美術館を見つけた。

Delveax

 来ていた客は私以外には老夫婦が一組。決して大きな美術館ではないが、デルボーの作品数十点を時間をかけてじっくり見られた。老夫婦と重なる瞬間もなく、私と絵の間に何も障害がないどころか、その部屋や一角にすら誰もいない。それでも一通り見た後、デルボーの生涯を描いた記録映画を見て、そこに出てくる絵をもう一度見たくなって、さらに一回りした。特に、「ポンペイ」という絵が好きだ。デルボー流のポンペイなのだが。

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