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ドイツ北西部の旅(1) ゴスラー

 ゴスラーに着いた。前に書いたように、この街に来ようと思ったのは、まったくの偶然による。国際関係論で扱う主権国家体制がヨーロッパで成立したのは、何といっても宗教改革を抜きに語れない。そこで宗教改革の本質を表す絵がほしいわけだが、それぞれの領邦での君主の信仰の自由がバラバラの沢山の国が並び立つ体制を作ったわけで、それを表すのは同じルターでも、ヴィッテンベルクで掲げた95か条の論題よりも、ウォルムスの帝国議会で皇帝カール5世の前で自説撤回を拒否した瞬間である。カトリックの世界観が崩れたのだから。
 この絵を掲げている皇帝居城というところに行きたかった。しかし、この皇帝居城、実は中世のそのままでなく、ドイツ統一後に昔の皇帝居城を模して作った「理想型」のようなもの。行って見て分かったが、中世以来のドイツの歴史観に基づいた皇帝たちの歴史絵画の連作で、中央にはウィルヘルム1世が理想視された絵で描かれている。宗教改革の絵もたぶんにドイツ・ナショナリズムの中で描かれたもので、今後教材として使い続けていいか再考が必要だ。
 しかし、たまたまでも、この世界遺産の割には日本であまり知られていない街を見つけたのはラッキーだった。西洋史を専攻していたときの文献を繰ると、ゴスラーが当時は重要な都市だったことが分かる。
 意外に面白かったのは、鉱山の町らしく、スズで作ったミニチュア人形の博物館である。人形といっても平べったい板を切り抜いて作り、堀って線を入れた後、着色するのである。歴代皇帝のミニチュア人形もよいが、三十年戦争の戦闘シーンをたくさんの人形でパノラマで作ってあるのは圧巻。ほかに、技術の現代的利用で、日本のアニメキャラや、スターウォーズ、パイレイツ・オブ・カリビアンのキャラ人形が作ってあるのも面白かった。

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